デノミネーション

デノミネーション(デノミ)とは本来は「円」「ドル」のような通貨単位の呼称そのものを指しますが、日本においては、その通貨単位を切り下げる(金額の桁数表示を小さくする)、または切り上げる(金額の桁数表示を大きくする)という意味でも使用します(英語ではこれを「リデノミネーション」と呼びます)。通貨単位の変更の対象は、全ての資産および負債に及びます。
デノミは経済政策の1つで、ある国の物価が大幅に変動し経済活動に支障をきたす際の解決手段として、または新たな為替相場制度への変更や通貨同盟への参加等の際に実施されます。とくに、通貨の価値(信用度)が著しく低下し物価が大幅に上昇するハイパーインフレ(国際会計基準によると、「3年間で累積100%以上の物価上昇」の状態)時に切り下げとともに新通貨に切り替えるケースが多く、デノミ以前に使用できた単位が強制的に切り捨てられることで市場における通貨量は減少し、需給バランスが調整された結果、極度のインフレは終息すると考えられます。なお、デノミそのものによる他通貨との交換レートへの影響はありません。
 デノミのメリットは、①決済の利便性向上(通貨切り下げの場合)、②国際市場における通貨のイメージ向上、③新通貨を発行する印刷業界や新通貨対応のシステム構築を担うコンピューター業界等の特需、④国民資産の把握、⑤アングラマネーの捕捉等が挙げられます。一方、デメリットとしては、①新たな金融システム導入に向けた膨大なコストや事務負担、②自国経済への信用低下によるさらなる混乱等が挙げられます。
デノミを実施したからといって必ずしも経済が回復するとは限りません。自国経済や通貨に対する国民の不安増大からかえって金融が混乱し、ジンバブエドルのように何度もデノミを実施した挙句、通貨そのものが廃止に追い込まれるリスクもあるのです。