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2003年度

2003年度のテーマ

1.東アジアの地域金融アーキテクチャーに関する研究

当研究所は、東アジアの地域金融協力の現状についてレビューの上で、タイ、インドネシア、韓国、中国のシンクタンクからの地域金融アーキテクチャーのあるべき姿についての提言をとりまとめ、ASEAN事務局に報告書を提出しました。

2.アジア債券市場の育成

このテーマに関連した以下のような委嘱案件を受託し、調査・研究ならびに研究会の運営についてとりまとめを行いました。

  1. ベトナムの国債証券市場整備に関わる技術協力
    1997年のアジア危機の反省を踏まえながら、ベトナムにおける国債を中心とした証券取引・決済業務の調査を行なった上で現状の問題点を把握するとともに、それらの改善策を提案。さらに、具体的な金融実務についての講習を含む技術指導を行ないました。
  2. タイにおける債券市場インフラ整備に関わる技術協力
    当研究所は、タイ財務省財政政策局及び同政策調査研究所との間で共同プロジェクト・チームを立ち上げてタイの債券市場インフラ整備に関わるプロジェクトを推進し、特に証券化インフラ整備について、民間専門家による提言をとりまとめました。
  3. 東アジア諸国の決済システムに関する調査
    昨年度、和文報告書をまとめたこの調査に関して、本年度は情報をup-to-dateするなど内容の充実を図った上で、英文版を作成しました。
  4. アジアにおける債券市場研究会
    昨年度に続いて本年度も、当研究所はこの研究会の事務局を務めましたが、本年度は、昨年度の研究成果をさらに発展させ、証券化を中心に、具体的な債券発行にこぎつけるための実践的な検討が中心となりました。

3.円の国際化推進

このテーマに関連した委嘱案件として、以下のような調査を行ないました。

  1. タイの対日輸出企業向け円建て貿易金融供与のための調査
    タイの貿易金融の実態や貿易取引主体の通貨選択の実情を把握した上で、同国において貿易取引の円建て化がなかなか進展しない理由・背景について分析。この結果を踏まえて、具体的なスキーム案の策定を含め、現地当局や同関係機関と協議を行ないました。
  2. ベトナムの対日輸出企業向け円建て貿易金融供与のための調査
    ベトナムにおける貿易金融制度の実態を調査した上で、貿易取引の円建て化が進展しない理由や円建て化推進のための問題点について分析。この結果を踏まえて、事態を改善し、円建て貿易金融を活性化させるための施策について提言を行ないました。

4.ASEM Task Force アジア側事務局

当研究所は、行天理事長がメンバーに就任しているASEM Task Forceのアジア側事務局を務めていますが、昨年5月から、アジア、欧州各地で5回にわたって開催された準備会合の成果を踏まえ、2004年10月にハノイで行なわれるASEMサミットにおいて発表する、貿易、投資、金融等の分野での政策提言の取りまとめを行なっています。

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5.FTAによる金融の自由化と資本規制に関する調査

FTAの中でも、特に金融セクターと投資の自由化に焦点を当て、FTAの規定内容の相違が、締結国の金融機関や現地企業の事業戦略・財務戦略に対してどのような影響を与えるのかについて、シンガポール、タイ、マレーシアに関して調査した上で、これを踏まえた今後の業務展開の方向性についても考察しました。