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アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)

1997年に発生したアジア通貨危機の要因として、①ドルペッグ制(当時タイ、マレーシア、インドネシア、韓国等で採用)による現地通貨の過大評価、②「ダブル・ミスマッチ」(外貨建ての短期借入資金を自国通貨で長期運用するという、通貨と期間のミスマッチ)、③債券市場をはじめとするアジア各国の未成熟な金融システム等が挙げられます。これらの問題の解決および通貨・金融危機の再発防止のため、地域金融協力の重要性が認識されるようになりました。その地域金融協力の一環として、2003年8月、ASEAN+3(日中韓)財務大臣会議において合意されたのが「アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)」です。
ABMIは、アジア域内における資金調達を域外に大きく依存することから脱却し、アジアにおける貯蓄を域内の投資につなげるべく、効率的で流動性の高い債券市場を育成する、という取り組みです。
アジア債券市場の整備という最終目標に向け、ABMIは定期的にロードマップを改訂し、取り組み課題を見直してきました。これまでの主な成果としては、アジア開発銀行(ADB)、世界銀行等の国際機関による現地通貨建て債券の発行、「アジア・ボンド・オンライン」の開設、信用保証投資ファシリティ(CGIF)の設立や、ASEAN+3債券市場フォーラム(ABMF)の設立等が挙げられます。