実需と投機

為替取引は、それを締結する目的から、実需取引と投機取引の2つに分類されます。
実需取引とは、貿易取引や資本取引などの商取引に裏付けられて締結する為替取引を差します。また先物為替取引など、商取引に起因する為替取引で発生する為替リスクを回避するためのヘッジ(hedge、回避)取引も、広い意味で実需取引といえるでしょう。
一方、投機取引は、為替リスクを積極的に取り込み、利益を得ることを目的として締結する為替取引です。ヘッジファンドや個人による外国為替証拠金取引などの多くは、利ザヤ稼ぎのための投機取引と呼べるでしょう。巨額の資金が取引され、価格が時々刻々変化する外国為替は投機取引の格好の対象であり、実際、為替相場の大きな変動要因となっています。
投機取引の簡単な例を紹介します。先行き円高・ドル安が進行するとの判断から、現時点で先物為替相場にてドルを売る取引を締結し、将来ドルが実際安くなったところでドルを買い戻して、その間の利ザヤを稼ぐというケースです。①20XX年3月1日、同年6月1日を期日とする3カ月先物為替相場が1ドルにつき110円として、この相場で100万ドルの「ドル売り・円買い」の先物為替予約を締結します。②1カ月後の4月1日、実際に円高・ドル安が進み、6月1日を期日とする2カ月先物為替相場が105円になっていたとして、今度はこの相場で100万ドルの「ドル買い・円売り」の先物予約を締結します。③これにより6月1日、「100万ドル売り/1億1000万円買い」と「100万ドル買い/1億500万円売り」の取引が実行され、差し引き500万円が利益(為替差益)になります。

①20XX年3月1日現在、「今後ドル安になるだろう」と判断。
3カ月先物為替相場(6月1日期日):1ドル=110円
締結内容:100万ドルのドル売り・円買い

②同年4月1日
2カ月先物為替相場(6月1日期日):1ドル=105円
締結内容:100万ドルのドル買い・円売り

③同年6月1日、上記①②の先物為替取引を実行。
110円×100万ドル-105円×100万ドル
=(110円-105円)×100万ドル
=500万円の為替差益