世界経済と主な原油市場

世界の原油市場は北米、欧州、アジア市場に大別されますが、なかでも原油価格の国際的な指標となっているのが、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYNEX)で取引されるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)の先物相場です。WTIとは米国テキサス州周辺で産出される軽質で硫黄分が少なく、多くのガソリンを抽出できる高品質の原油です。価格決定の透明性の高さや市場参加者の多様さから、WTIの先物市場は取引高、参加者数ともに世界規模を誇っています。
WTIと同様に国際的なのは、欧州のICEフューチャーズ・ヨーロッパで取引されるBrent(ブレント)です。ブレント原油は北海で産出される良質な軽質油です。ブレントの市場も取引量が大きく市場参加者も多岐にわたりますが、その産出量は減少傾向にあります。
アジア市場では東京商品取引所(TOCOM)で取引されるドバイ原油とオマーン原油(ともに中重質油)の加重平均が価格指標となっています。相対の店頭取引が多いため価格透明性は低く、市場規模は前述の2市場を下回ります。
原油価格の決定要因としては、需給(世界経済動向、季節要因なとを含む)、紛争などの地政学的な問題、在庫、投資資金の流出入などが挙げられます。原油市場は株式、為替市場などと比較して規模が小さいため、原油価格が大きく変動するボラタイルな市場ともなっています。近年はとくに投資資金の流出入により、原油先物価格を通じて原油価格が変動する傾向が強くなっています。
国民生活に欠かせない原油の価格とその変動は世界経済に大きな影響を与えることから、原油の価格指標は世界経済の今後を占う重要な経済指標の1つといえます。