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2018年

JICA研修「アセアン地域債券市場整備(Ⅱ)」を実施

我が国のODA技術協力の一環として、独立行政法人国際協力機構(JICA)は2018年12月7日~21日にわたり、カンボジア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、ベトナム、イラクの財務省、中央銀行等債券市場育成の政策担当者7名を東京に招き、債券市場の整備を目的とした研修を実施しました。IIMAは日本国際協力センター(JICE)と協働し、研修を企画・運営しました。

研修では、我が国の金融・債券市場の歴史、証券会社・格付機関の役割、関連法・規制、決済システムのほか、社債発行の実務やフィンテック等に関する講義が新たに行われました。 講師にはJICA、IIMAのほか、財務省、金融庁、日本証券業協会、日本格付研究所、東京大学、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ国際投信、三菱UFJ銀行のご協力をいただきました。期間中、各国の研修員と活発な意見交換が行われました。

研修員にはこの研修を踏まえ、母国における債券市場活性化のための政策を推進していくことが期待されます。

日本金融学会2018年度秋季大会国際金融パネルに参加

10月20日、名古屋市立大学にて行われた日本金融学会2018年度秋季大会の国際金融パネルに山口綾子上席研究員がパネリストとして参加しました。

同パネルは「BREXITと国際金融センター『シティ』の将来」というテーマで、一橋大学小川英治教授が座長となり、パネリストは、日本銀行名古屋支店長清水季子氏、ニッセイ基礎研究所主席研究員伊藤さゆり氏と当研究所の山口綾子上席研究員の3名、討論者は関西大学髙屋定美教授が参加しました。

各パネリストがそれぞれ以下のテーマで報告を行った後、討論者の髙屋氏を交えて、活発な意見交換が行われました。時宜を得たテーマで会場からの質問も多く、大変有意義なパネルとなりました。

各パネリストのテーマ:「BREXITが意味するもの---シティと金融ビジネスの将来」(清水氏)、「BREXIT後の欧州の金融センターとEUの金融統合」(伊藤氏)、「BREXITが銀行業に及ぼす影響」(山口上席研究員)

報告要旨はこちらです。

JICA研修「南部アフリカ地域開発金融機関の強化」を実施

2018年9月27日~10月16日にわたり、独立行政法人国際協力機構(JICA)は我が国のODA技術協力の一環として、南部アフリカを中心とした9カ国の開発金融機関の9名幹部を招き、同地域の金融機関を強化するための研修を実施しました。IIMAは昨年に続き、日本国際協力センター(JICE)と協働し、研修を企画・運営しました。

研修では、日本及びアジア諸国の経済・産業発展プロセスを学んだ後、南部アフリカ各国の課題(中小企業支援や経済発展における開発金融)を解決するためのアクションプランを作成しました。講師は当研究所職員が務めたほか、学術専門家(大阪商業大学、東京大学公共政策大学院、一橋大学、立命館アジア太平洋大学、早稲田大学、日本経済研究所)や、実務経験者(東京信用保証協会、三菱UFJ銀行、IFC(世界銀行グループ傘下の機関)、日本経済研究所)にお引受けいただきました。

視察旅行にはかつて世界銀行の対日融資事業が集中した名古屋を選び、東海道新幹線の乗車、トヨタ工場、火力発電所の見学などが盛り込まれました。また、その他に、アフリカに進出している日系中小企業の大森工場を訪問し、アフリカへの進出・投資に関する意見交換を行いました。

研修員は今回の研修を踏まえ、自国の開発金融機関の運営能力を向上させることが期待されています。

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セミナー「中国における供給側構造改革とニューエコノミー」を開催

2018年8月29日、当研究所は、北京(中国)の対外経済貿易大学国際経済研究院の西村友作教授をお招きして、「中国における供給側構造改革とニューエコノミー」と題したセミナーを開催しました。西村教授は北京在住15年にも及び、2010年に中国の経済金融系重点大学である対外経済貿易大学で経済学博士を取得後、同大学で日本人初の専任講師として採用され、副教授を経て2018年より教授としてご活躍されています。また、日本銀行北京事務所の客員研究員にも就かれています。中国経済が「新常態」のなかで「供給側構造改革」を進めるに至った政策の流れと改革の中身をわかり易くご紹介頂いた上で、急成長する中国の「ニューエコノミー」について現地の肌感覚を交えてご解説頂き、続いて参加者との活発な質疑応答が行われました。

 

 

中国現代国際関係研究院の研究者が当研究所を訪問

2018年7月26日、中国の政府系シンクタンクである中国現代国際関係研究院(CICIR)の傅夢孜(Mr. Fu Mengzi)副院長を筆頭に日本研究所及び世界経済研究所のエコノミスト計5名が当研究所を訪問されました。中国の為替相場管理制度に関する評価、今後の人民元国際化の展望、日中間の金融協力の進め方など、時宜にかなった重要なテーマについて率直な意見交換が行われました。

 

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銀行エコノミスト国際会議(ICCBE)に参加

2018年7月10日から13日までの4日間、米国のニューヨークで開かれた銀行エコノミスト国際会議(ICCBE/ International Conference of Commercial Bank Economists)に、当研究所の矢口満経済調査部長兼開発経済調査部長及び佐久間浩司客員研究員(京都橘大学教授)が参加し、それぞれ日本経済、日本の労働市場改革について報告しました。同会議は、1937年に発足した世界経済を議論する民間金融機関エコノミストの会合で、年に一回、輪番で世界各地で開催されています。本年は個別テーマとして、中央銀行の金融政策上の課題、労働市場と物価上昇の関係、欧州の銀行・金融市場の問題、貿易戦争の影響、金融分野における機械学習・ビッグデータの活用なども取り上げられ、熱心な議論が続きました。

 

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JICA研修「公共財政管理・公的債務管理エクゼクティブ・プログラム」を実施

2018年6月21日~7月5日、独立行政法人国際協力機構(JICA)は世界銀行と連携し、アジア、アフリカ、中東、及び太平洋州の開発国22か国の財務省幹部職員23名を東京に招き、開発国の公共財政・公的債務管理強化を目的とする研修を実施。当研究所(IIMA)は日本国際協力センター(JICE)と協働し、その企画・運営を行いました。本研修は、2016年から続けており、今回3回目であり、講師は世界銀行、JICA、IIMAが務めたほか、本邦財務省、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ国際投信にご協力を頂きました。

研修前半は、世界銀行から公共財政管理・公的債務管理における様々なリスクについての解説があり、その後、ケーススタディを通じて、研修員は実践的に学ぶことができました。研修後半では、日本の講師から日本の公的債務の事例等の説明を受けると共に講師や研修員同士で活発な意見交換を行い、公的債務管理に関する知見を高めました。この研修を踏まえ、研修員が母国での健全な公的財政・債務管理のための政策を推進していくことが期待されます。

 

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日本金融学会2018年度春季大会で報告を実施

2018年5月26、27日に専修大学(生田キャンパス)で開催された日本金融学会春季大会に、矢口満経済調査部長兼開発経済調査部長、山口綾子上席研究員、及び佐久間浩司客員研究員(京都橘大学教授)が参加し、26日午前の「セッション:アジア・中国」において、「日本とアジアの金融市場統合 -邦銀の進出に伴うアジアの金融の深化について-」と題する報告を行いました。本報告は、財務省財務総合政策研究所の機関誌「フィナンシャル・レビュー」(平成30年第1号(通巻第133号))に寄稿した同名の共著論文に基づくものです。

報告に対しては、討論者となって頂いた河合正弘・東京大学公共政策大学院特任教授(環日本海経済研究所(ERINA)代表理事・所長)より、「具体的なビジネスに基づく論文で極めて興味深く、有用」との評価を頂くと同時に、より説得的な内容にするためのご指摘や、更なる改善のためのポイントを数多く頂きました。また、フロアの数名の参加者からも質問・コメントを頂戴し、予定終了時刻を大きく超過しつつも、深みのある学術的な議論を行うことができました。

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全米ビジネス・エコノミスト会議(CBE)のSpecial Associate選出

2018年5月10、11日、米ワシントンDCで開催された全米ビジネス・エコノミスト会議(Conference of Business Economists、以下CBE)にて、武田紀久子主任研究員が2回目の報告を行い、正式にSpecial Associateに選出されました。(CBEの説明、及び初回参加の様子については以下URLご参照

CBEとは、1944年の米国で当時のルーズベルト大統領の指示により立ち上げられた、首都ワシントンDCをベースとする米エコノミストの会議体。第2次大戦終結後を見据え、米国の経済諸活動が一体どのような現状と展望にあるのかを把握するため、米産業界を横断し広範な情報収集と交流を目的に設立されたものです。

もっとも、現在では政府の直接関与等は一切なく、米金融業界のみならず米産業界の主要各社チーフエコノミストが一堂に会し、マクロ経済はもちろん、ミクロ(業界動向)についても、それぞれ分析成果を自由に披露・討議する情報交換の場(年3回開催/対外非公開)となっています。今回の武田主任研究員の報告は“Decoding BOJ’s Message”~Economic Activity, Prices and Monetary Policy in Japan~と題し、日銀の金融政策を中心に実施しました。

ここで得た情報(今回会合の様子については以下URLご参照)をIIMAの分析成果の質向上に繋げると同時に、アジアから唯一のCBE参加機関として、またSpecial Associateとして、今後とも引き続きバランスの取れた日本情報発信に、鋭意取り組んで参ります。

中国国際問題研究院他の研究者が当研究所を訪問

2018年4月19日、中国の政府系シンクタンクである中国国際問題研究院常務副院長の阮宗沢氏(Mr. Ruan Zongze)、中国国際経済交流中心首席リサーチフェローの張燕生氏(Mr. Zhang Yansheng)、および北京大学教授ら2名の研究者が、中国外務省の官員と共に当研究所を訪問されました。これは、中国大使館が日中平和友好条約締結40周年を祝して日本に招聘した外交団であり、当研究所の研究員との間で、最近の国際金融に関わる重要なテーマについて意見交換を行いました。具体的には、日本のグローバル金融危機後の金融政策と為替政策、日本の不動産バブル崩壊以降の金融政策と米国のサブプライム危機以降の金融政策との比較、米国の量的緩和からの出口戦略とその日本および中国への影響、ならびに、足元の貿易摩擦が金融危機につながる可能性などが焦点となり、突っ込んだ議論が行われました。

セミナー「The Outlook of the Asian Economy and the Role of the Asian Development Bank」を開催

当研究所は、2018年3月28日にアジア開発銀行総裁中尾武彦氏を招き、「The Outlook of the Asian Economy and the Role of the Asian Development Bank」と題した英語での講演会を開催しました。参加者として、在京の外国大使館、外資系金融機関・企業、大学、その他の方々を招聘し、講演では中尾総裁より、昨今の中国を含めたアジアの著しい成長について、そして、その成長に対するアジア開発銀行の過去、現在、今後の貢献などについてご説明を頂きました。その後のQ&Aセッションでは、参加者と活発な議論が行われました。

 

 

※研修資料はこちら (英語のみ)