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銀行間相場と対顧客相場

外国為替相場には、銀行間市場(インターバンク市場)において銀行など金融機関同士が為替取引を行う際に形成される「銀行間相場」と、それら金融機関が一般の個人や法人など顧客との取引に適用する「対顧客相場」があります。

(1) 銀行間相場
銀行間相場はさらに、売買契約をした外貨を受け渡すまでの期間の違いによって「直物相場」と「先物相場」に分けられます。
直物相場は直物為替取引(後述)で使用される相場で、次の様な形で示されます。
米ドル/日本円 110.00-110.05
110.00をビッド(bid=買値)・レート、110.05をオファー(offer=売値)・レートと呼びます。これはこの相場を提示した銀行が、1ドル=110円なら買う意思が、または1ドル=110円05銭なら売る意思があることを示しています。
一方、先物相場は先物為替取引(後述)で使用される相場で、1週間、3カ月、6か月などの期間別にビッド・レートおよびオファー・レートが実数で表示される場合があります。実数の表示が無い場合は、代わりに期間別の直先スプレッド(直物相場と先物相場の差)が表示されるので、これを直物相場に加減して算出します。

(2) 対顧客相場
対顧客相場にも「直物相場」と「先物相場」があり、銀行間直物相場と銀行間先物相場にそれぞれ、各金融機関が外国為替取引にかかる手数料や金利を独自に加減して算出します。また対顧客相場は、どの時点の銀行間相場をベースにして算出するかによって、「公表相場」と「市場実勢相場」に分けられます。
公表相場は毎朝午前10時前の銀行間相場をベースに算出され、顧客に発表されます。公表相場はそのまま変わることなく、原則として当日の取引に終日使用されます。尚、当日中に大きな相場変動が起こった場合は、適用の停止や相場の変更が行われます。
市場実勢相場は刻一刻と変化する銀行間相場をベースに、都度算出されます。銀行などのインターネットバンキングではこの相場を使用することが多く、数10秒ごとに変化します。また、顧客との先物為替取引も市場実勢相場をベースに行われるのが一般的です。